未だに知らない

本や漫画、映画の記録帳です。

シャルロットの憂鬱

犬が好きです。
飼育頭数で猫が犬を追い越しそだというニュースを読んだときは、犬派の原理主義者として歯がゆい思いをしました。
高齢化や単身世帯の増加で飼いやすい猫の方が人気だそうで。
かくいうわたしも、実家にいた頃は犬を飼っていたが、一人暮らしになって以来、「犬飼いたいなあ」と毎日のように思いますが、実現できていません。
我が家のペットは2匹の金魚だけ。
だから、本屋の単行本コーナーをうろついていた時に、この本にスイ〜と吸い込まれてしまいました。
白根ゆたんぽさんの描く犬たちが可愛いんですよ。
正直、半分くらいはジャケットで買いました。
警察犬を引退したメスのジャーマンシェパードの「シャルロット」を飼い始めた、子供のいない夫婦の短編集。
作者は近藤史恵さんなので、もちろん推理ものだ。

謎はですね、当然「へえ」と思うオチがついているのですが、とにかく、出てくる犬が可愛いんですよ!!!!
犬を飼った経験のある人なら必ずわかる犬の仕草が満載。
「ぺたんと耳を寝かせ、わたしたちの顔を見上げる。」(P14)
「さわちゃんが去っていくのを、シャルロットは門扉に鼻を押し付けて見送っていた。」(P52)
「口が開いて笑っているような顔になる。」(P133)
「シャルロットは、なぜか鼻をすんすんと鳴らした。」(P217)

「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」を頭のなかで繰り返しながら読み終えました。
犬派の同志の方はぜひお読みください。
あっという間に読み終えるかと。


なお、猫のこともそれなりに好きです。

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シャルロットが不思議そうにわたしを見上げた。
だからわたしは笑った。
「大丈夫よ。シャルロットがいるもの」
犬がいると落ち込んではいられないのだ。(P64)

シャルロットの憂鬱